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一級建築士試験 問題と解説


No. 7 〕 地業工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

1. 直接基礎において、掘削作業をバックホウにより行ったが、支持層となる床付け面までの30~50 cmを残し、残りを手掘りとした。


2. セメントミルク工法による既製コンクリート杭工事において、地盤の状況、施工性、施工時に発生する騒音・振動などを確認するための試験杭については、特記がなかったので、最初に施工する本杭を兼ねることとした。


3. アースドリル工法による現場打ちコンクリート杭工事において、超音波孔壁測定器により、孔壁の崩壊の有無、水平方向の偏心及び支持層の土質を確認することとした。


4. アースドリル工法による現場打ちコンクリート杭工事において、杭頭の処理については、コンクリートの打込みから 14 日程度経過した後、杭体を傷めないように、可能な限り平坦に斫り取り、所定の高さにそろえた。




22年度 一級建築士試験 学科Ⅴ(施工)の問題7です。


心の声と共に解説します。

1. 支持層となる床付け面を痛めないように、最後はバックホウではなく手作業で丁寧に鋤き取りしなさいということで記述的には○となります...が、木造住宅だとべた基礎において外周などの深基礎部であっても根伐深さはCON(200)捨てコン(50)砕石(150)だとして400mm、基礎の埋込深くしたり砕石厚くしてもせいぜい500mm程度ということがよくあると思います。つまりここから派生する問題として「良質な地盤の上に木造住宅(2階建て)を建築する際、基礎工事においてバックホウを使用した。この際基礎はべた基礎とした」○か×か。

告示においてべた基礎の根入れ深さは12cm以上とされていますので、捨てコンや砕石の厚みを考慮してもバックホウの使用は不可となりそうですが、現実的に監理者としてそんなことを指示したら業者は本気で怒るでしょう。

つまりこの問題は「一級で木造のことは深く考えるな」というジャブととれます。

そのくせ「ひねり金物」とか試験に出るのが嫌らしいところ。

理解力だけでは乗り越えられない一級建築士試験の難しさが表れています。


2. 特記がない場合、最初に施工する杭により試験することは可能です。記述としては○。

似たような話で「地下水位調べるときは観測井つかえやゴルァ!」という問題があります。鉄骨の仮ボルトも少しだけ近くて、試験と本設を兼用できるというのは珍しい気もしなくはないですが、試験杭と本杭兼用できないとお金の面で負担が大きいですよね。

つまり「一級建築士はコストのことも考えろ」という隠れたメッセージなのかもしれません。



3. 超音波孔壁測定器で確認出来るのは鉛直精度と杭径です。

水平方向の偏心及び支持層の土質はわかりません。よって×。

鉛直製がわかるなら水平方向の偏心もわかりそうな気がしますが、さすがに土質は無理でしょ、って話です。超音波ってあれでしょ?イルカとかコウモリとかが使っていて、超音波出して跳ね返ってきたのをキャッチして判断するってやつ。その先に何かがあるのはわかるし、多分堅いとか柔らかいはわかるけど、土質の様に粒の大きさとか細かいことは分からないんでしょうね。

技術が進化すれば分かるようになるのでしょうか?


4. これは記述の通り○

文章後半の「杭体を傷めないように、可能な限り平坦に斫り取り、所定の高さにそろえた」という誠実極まりない内容に誤った記述を入れ込むのは無理でしょう。

ここは「14日程度経過した後」が判断基準となります。

これが7日程度では早いので誤り確定ですが28日程度ではどうでしょう?

今回の問題では「3」の超音波孔壁測定器の話が誤りでしたが、それも正しい記述の場合、(確証無いですが)28日では誤った記述となる可能性がありそうです。一級建築士としてコスト=工期の考慮も求められますので。

逆に「3」の超音波孔壁測定器の話が誤ったままで、この「4」の記述が14日程度ではなく「28日経過後に」だった場合は「場所打ちコンクリート杭の杭頭処理は14日程度」と覚えていた人は大いに悩ましい問題になります。14日程度経過していればダメではないので当然ですが、ここは問題文の冒頭にある「最も不適当なものはどれか」にかかってきます。

結局の所、この問題は「4つの文章の中で一番悪いのどれ?」と聞かれているわけですから。



〔No. 7 〕 地業工事等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。

答えは3番でした。正解できましたか?


一級建築士の学科試験まで残り1ヶ月を切りました。

あ、2級もですね。


頑張ってください。



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